建設業界の喫煙問題とその課題

私は「職人BIZサーチ」を運営する傍ら、日々建設現場を訪れる中で、建設業界に携わって30年が経ちました。
中学卒業後、父が働いていた横浜の造船所で溶接工として業界に足を踏み入れたのが始まりです。
昼間は8時から16時まで働き、夜は定時制の工業高校に通うという日々を送りました。
そこから、溶接工、機器設置、現場監督と経験を重ね、現在に至っています。

そんな私ですが、生まれてから一度もタバコを吸ったことがありません。
幼少期から食事中、近くに灰皿があるだけで不快に感じるほど、タバコには苦手意識があります。

しかし、建設現場に身を置いていると、改めて感じるのが建設職人に喫煙者が多いという現実です。

例えば、1台のハイエースに4~6人が乗り込むとしましょう。
その中で誰か1人がタバコを吸い始めると、次々と火を付ける人が増えていきます。
全員が喫煙者であれば問題はないかもしれませんが、非喫煙者が1人でも乗っていれば、その車内はまさに「地獄」と化します。

現在、タバコのパッケージには以下のような注意文が明記されています。

「たばこの煙は、周りの人の健康に悪影響を及ぼします。健康増進法で禁じられている場所では喫煙できません。」

車内で吸うなとは言いませんが、せめて非喫煙者が同乗している場合は気を遣ってほしいというのが本音です。

一方で、喫煙者の気持ちも分からなくはありません。現場には以下のような喫煙環境に関する課題があります。

  • 喫煙場所が設置されていない
  • 喫煙指定場所が休憩所から遠い
  • 現場内での喫煙が一切禁止されている

こうした背景から、現場に到着する前の車内で喫煙を済ませたいと考える愛煙家が多いのです。

しかし、現代社会では一つの問題がすぐに労働基準監督署への通報やSNSでの拡散につながる時代です。
会社を経営する立場からすれば、これ以上の負担を増やしたくないというのが正直なところでしょう。

では、もし作業車内での喫煙を禁止したらどうなるでしょうか。
職人のストレスは増大するでしょう。
そのストレスを軽減し、職場環境を整えるために雇用主がどう取り組むかが問われています。

建設業界の未来を考える上で、喫煙問題は決して無視できない課題です。喫煙者・非喫煙者双方の立場を尊重しながら、現場でのコミュニケーションや環境改善に取り組む必要があります。
それが、業界全体の働きやすさと生産性向上につながるのではないでしょうか。

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